「翻訳のレッスン」という本を読みました。

翻訳してて疑問に感じていた事を、氷塊してくれる、翻訳初心者におすすめの書籍を見つけたので紹介します。

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「翻訳のレッスン」という本を読みました。

翻訳マニュアル的な本を読んで、構文読解の本を2冊勉強して、実際に長めの文を翻訳する練習を今月から始めました。そこで生じた不安があって、辞書に書いてない訳語をどれぐらい使っていいのか分からないということです。そこで初心に返ってこの本で翻訳とはどのような作業なのか、「翻訳のレッスン」という4人の翻訳家の共著となる本で学び直してみました。(ちなみにこの本は翻訳術の類いの本と違い、英語をどう訳すかの例は全く出てきません。翻訳とはどういう作業かをめぐってベテラン翻訳家の4人の対談や講演を収めたものに、翻訳者一人ずつが講義形式で翻訳の準備、辞書の引き方、訳文づくりについての講義を載せたものとなっています。

辞書とは意味や用例などを見比べて、そこから適した単語を考えるために使うものだという言葉が印象的でした。辞書に書いてある訳語を当てはめるのが翻訳ではなくて、その訳語を引き比べて著者の意図した意味を一番表している単語に辿りつくためのツールとして使えば良いとのことです。そして、翻訳という作業はその文の書いた人が意図した事を読み取って、日本語で表現しなおす作業であって、その意図をもっとも良く伝える言葉を使えばいいのだというのも、当たり前ですが自分に出来ていないことでした。

それと、ブチブチ訳になるから最初の練習から翻訳支援ツールを使うべきでないというのも自分的にはグサリと刺さる言葉でした。確かに、私の訳は一文ずつは読み取れる文なのですが、続けて読む時に文のつながりが薄く、ぎこちない印象だなと思うことがあります。翻訳支援ツールを買ってしまった身(しかも仕事で使えるか分からないWordFastPro)としては辛いところですが、英文と訳文と一画面に2つのエディター画面を並べて訳す練習も必要かもと思いました。それがあまりにも自分には苦手ならまた翻訳支援ツールに戻れば良いだけですので。

ところで、私は日本語文法の「自サ変」等の辞書に書いてある使い方について、全く忘れてしまったのですが、自分が「てにをは」を間違ってないかは識別出来ているつもりです。この本では、そこら辺の文法をちゃんと理解してますかという、読者への問いかけもついていたのですが、参考になる文献が示されていませんでした。中学国語の復習に丁度良い本が見つかったら復習してみたいものです。

という事で、これから翻訳を勉強を始める方や独学で翻訳している方がプロから、どういう心構えで訳していくか、どんな点に気をつけるべきなのかを、読みやすい形でまとめています。日本語ネイティブの読者なら数時間もあれば読めるので、勉強がお休みの日に自分の翻訳を振り返るために読んで勉強になる本でした。Amazonのレビューでも評価が低い方がいますが、そういう方はこの本に書いてある注意を自然と身につけた中級者以上の方なのだと思います。