翻訳業界ではTradosという翻訳支援ツール(以下CATツールと省略します)のシェアが大きく、翻訳者の募集要項にもTradosの導入が可能なことと書いてある募集もあります。でも先日、翻訳支援ツールに書かれた書籍を読んでいたところ、そういった募集は同じようなマニュアル等の文書の翻訳ばかり仕事が来るので止めたほうが良いとアドバイスが書いてありました。私がTradosを買わなかった最大の理由はMacに対応していないことです。私のパソコンにはParallelsという仮想OS実行環境が入っていて、どうしても必要な時はWindowsを立ち上げます。でも使いなれたMacの環境が一番使いやすいからです。私もTradosを試用してみましたが、Tradosというソフトは業界一位の地位に甘んじて使いづらい機能が多いです。例えば原文と訳文を上下に表示する機能がないようです。Tradosは原文が更新された際に読み込んでいるファイルも更新する機能がありますが、意味不明のエラーを出して動作しないバグに出会いましたが、書籍にもバグが多いと書かれていました。そして最大のデメリットは販売会社のサポートを受けるのに2万さらに払わないといけないことです。納期が迫っているときにエラーが出て自分で解決できなくても販売会社に問い合わせも出来ないのでは使いものになりません。それと比較したときWordfastProはMacのJava環境で動く(その代わりメモリは沢山使います)、直感的に使いやすくマニュアルもちゃんとある(もちろん英語ですが)。そして販売会社のサポートとアップデートも3年間無料というメリットが付いてきます。私が必要としていた原文へのノート機能や原文の編集機能もちゃんとあるし、原文の下に訳文を表示するエディター機能もついていて、そしてここが重要なのですが、Tradosの原文と翻訳メモリや訳語集をまとめたパッケージファイルも開く機能がついています。もちろんTradosのパッケージを書き出す機能もあります。翻訳会社にはクラウドで翻訳の進捗等を見られないというデメリットがありますが、堂々と翻訳会社からTradosのファイルを送ってもらって翻訳出来ると思いました。実はメルカリで販売して作った翻訳メモリを買おうと思ってためてきた貯金があったので、今回はデモ版の利用もそこそこに将来への投資だと思って思い切って7万のソフトを買ってしまいました。まだ短い文を翻訳する機会しかないので、早すぎる投資でしたが、早く本格的な翻訳家になりたいあまり勇み足をしてしまいました。今後、こんな便利な機能もあったと気づけたり、翻訳会社からも問題なく仕事が貰えたと良い事が続けばいいですが、最終的にTradosを買わなきゃいけなかったという顛末もあり得ます。でも私的にはこのソフトで翻訳してTradosにファイルを読ませればいいので、その時もTradosはサブ的な存在になると思います。翻訳支援ツールについて書かれた書籍ではMemoQを推薦していて、Tradosとのファイルのやり取り方法が紹介されていました。そんなわけで自分が気にいったCATツールを使うのが一番良いと私は思っています。そうそうWordfastProの紹介動画でインストラクターがMacを使っていたのも重要なポイントですね。
最後に参考にした書籍は 「翻訳ツール大全集」藪内達也著 です。