現在、英文解体新書1を勉強中

英文翻訳で誤訳した事が悔しくて、また新しい英文読解本に挑戦中です。少し難しめの英文を読む機会のある方にはとても、おすすめの実践的な本です。

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現在、英文解体新書1を勉強中
英文解体新書を勉強したノート画面

最初に解説のある単語などのチェックをして、英文を読みながら更に分からない単語を調べて、解説を読んで英文に戻って解説を理解する。自分で翻訳をせずに著者の翻訳と英文と解釈のポイントをまとめたノートをMarkdownエディターで作るという方法で読んでいます。この本は高校レベルの英文法が分かっている人が読書などで躓かないように、高校レベルでは出てこないけどネイティブの英文で見かける表現の読解法を示しています。そこで私は翻訳の誤訳をしてショックを受けているときに、この本の内容を見て、これなら誤訳を防ぐのに役立つと思って購入して勉強するに到りました。この本の訳がこなれていないというレビューがAmazonにありましたが、全然そんな事ありません。むしろ、この混み合った文法をこう訳すのかと関心することが多いです。そんなわけでこの本は、難しめの洋書に挑戦したい方や難しい文の翻訳にはとても役に立つ本です。翻訳をするには人が書いた訳と英文をいくつも読むことも勉強になると書かれているのをどこかで見た気がするので、翻訳そのものの勉強にもいくらか役だっていると思います。解説はとても丁寧でとても好感の持てるものでした。また題材として使われている英文も内容が面白くすんなりと解説とともに頭に入ってきます。この本と似たような高度な英文法を扱った本として、難構文のトリセツという本がありますが、あちらは載っている項目は多いものの、英文があっさりしすぎてて何となく問題を解いて終わりになりがちで続きませんでした。その代わりこの本に出てくる単語は難しいものが多いです。英検1級でも知らないような単語もあり、筆者が解説をつけています。実はKindlePaperReaderを利用していると単語に解説を英文で表示してくれるので、多少分からない単語があっても洋書は読めます。でも文法的に難しい表現のある本に挑戦するなら高校+αの英文法が必要になります。

ところで、この本の他によく見かける誤訳を解説した本はいくつかありますが、どちらかというと小説の類の翻訳を想定しているようで、自分の目指すIT及びマーケティング分野の翻訳とは方向性が違うかなと思って、まだ手を出していません。次また誤読をしたら手にしているかも知れませんが・・・。DeepLのような高度なAI翻訳ツールが登場したことで、翻訳者の仕事はよりAIに出来ないような、あるいはAI翻訳の間違いを修正できるぐらいの文法知識を必要とするものになりました。そこで翻訳者が誤訳してしまっては、AI翻訳以下の必要ない存在となってしまいます。翻訳者はフリーランス契約が基本なので、英文の完成度はシビアに見られるし、それによって定期的な依頼を貰えるかどうかもかかっています。いまやポストエディットといって機械翻訳の修正をする仕事まで登場していて、そんな仕事を低単価でやるなら、最初から自分で翻訳したほうがマシだと思ってしまいますが、どうやらお金を払ってまで翻訳を依頼してくる人なのに機械翻訳して日本語を表面的に自然に直しただけの翻訳で十分と考えている顧客がそれなりにいるようです。そんな翻訳なら人に依頼しないで自分の会社の事務でやったら良いのにと思うぐらいですが、とにかく、どの翻訳エンジンを使うかによると思いますが、DeepLは一見すごく自然な日本語の文章に見えて、訳をぬいている文章があるとプロ翻訳者が話していました。私がAIのプログラミングの本を立ち読みした印象では確率・統計論の集積であって、確率・統計結果から割り出せる翻訳っていうのは翻訳者とは違う次元の頭の使い方なんです。翻訳者はどうすれば読みやすい日本語になるか、どうすれば美しい日本語になるか、どうすれば読み手に伝わる日本語になるか考えて翻訳をします。AIが確率でそれを当てはめる事なんて出来るのでしょうか。AIには確率・統計的に上手く当てはまる訳を作るだけで、翻訳者のようにここは英英辞書の意味を当てはまる英和辞書にはない表現を探してみようとか、ここは英和辞書にはこう書いてあるけど、もっと自然な表現にするために類義語辞典で違う表現を探してみようとか、まあ翻訳者というのは辞書という統計学的意味合いのある資料を使うけれど、その使い方の時の頭の働かせ方が全然ちがうのですね。結局、経験で日本語文章の表現力は上がっていくので、プロの翻訳は明らかに日本語の表現力がAIなどとは比較にならないものです。私などはその足下にも及びませんが、出来れば数ヶ月で100以上の翻訳に取り組もうと考えており、プロになれば毎日1500文字以上の翻訳をする事になります。写真なんてスマートフォンで撮れるのに、何かの記念のときは写真館で撮るのと同じことです。翻訳者という仕事は求められるスキルは確実に上がっていますが、その代わり仕事が出来る翻訳者には必ず需要がある世界だと思っています。

 私は文法書を三冊持っていますが、中には辞書一冊分の厚さのある文法書もあります。あの内容を全部暗記している翻訳者はそこまでいないと思うので、分からない文法に出会ったらきちんと調べて翻訳する、用語の誤用にうるさい辞典を使うというのも大事ですね。単語の理解不足による誤訳を防ぐための文法解説と用例のバランスが良いウィズダムを活用していますが、オーレックスかジーニアス学習用辞典の第6版もこの前本屋で見たら良かったので買おうかなと検討中です。まあ、あらゆる手を尽くしても翻訳家として食べていくまでには直ぐにはならなければ週4でコンビニの深夜のアルバイトをして、週3は英語の勉強に使うとかですかね、とりあえず死なないだけのお金が稼げて、翻訳という楽しい世界を追求出来れば、少なくとも仕事には希望を見出して、この先の人生を少し前向きに過ごせるようになれる気がしています。